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原始感覚美術祭2020 山の清め、水の面

 

 

音楽家 あんどさきことのコラボパフォーマンス

撮影:安徳 希仁

原始感覚美術祭2020 山の清め、水の面

新型コロナウイルスの影響を受けて、各地の伝統的なお祭りや芸術祭が中止となる中、疫病退散をテーマに小規模で開催された。それぞれの作家の作品を飾りつけた山車を引き、木崎湖を1周した。

早朝の木崎湖は靄がかって幻想的な雰囲気を帯び、音楽家のあんどさきことコラボパフォーマンスをした場所には蓮の花が咲き誇っていた。

下見をした際には咲いておらず、偶然パフォーマンスを行った時間帯が開花時間だったと思われる。

様々な変化に迫られた社会とは別の次元に存在するかのように、いつも通り美しい湖と何も変わらず生きる植物の場をお借りして、

あんどさきこはピアノを弾くようなしぐさで空気や水に触れる。船を揺らす波の音と波紋が優しい声とともに静かに広がる。

赤く染色した漁網のコスチュームを羽衣のようにまとい、湖と一体化するような時間となった。

SEIAN GRADUATE EXHIBITION 2020

SEIAN GRADUATE EXHIBITION 2020 “ FASHION / TEXTILE / COSTUME ”

成安造形大学には6つの学内ギャラリーがあり、ライトギャラリーは壁一面がガラスになっており自然光の変化を楽しむことができる空間になっている。

本展覧会は、同大学のファッションデザインコース、テキスタイルアートコース、コスチュームデザインコースの卒業生たちの作品が集った。

卒業年度は幅広く、在学中にはなかった交流がうまれ、成安造形大学の繊維造形の歴史の一部を垣間見ることができた。

今回はミシン刺繍の作品を中心に出品し、ギャラリーの白い空間に対して影の表情がよく見えるように設置を行った。

照明の関係で、繊維の赤色が多重の影にも影響し、複雑な模様を鑑賞することができた。

世界で一枚のシャツ展

ギャラリー・サラによるDM

出品作品「うみんとき」着用の様子  着用者:中井乙希

左端の赤いシャツがミシン刺繍によって作られた出品作品

中央の赤いシャツが赤く染色した漁網・テグス・ミシン刺繍によって作られた出品作品

 

世界に一枚のシャツ展

「世界で一枚のシャツをつくってください」という一枚の手紙から始まる展覧会。
ファッションデザイナー、コスチュームアーティスト、バッグデザイナーといった服飾のクリエイターだけでなく、陶芸やガラスの作家、画家や立体造形作家といった幅広いジャンルの作家による、多様な〈返事〉を一同に展示する企画展。

会場となるgalleryサラは滋賀県の北比良の緑豊かな別荘地にあり、中庭の苔山をぐるりと歩いて見ることのできる回廊型のギャラリー。

ミシン刺繍を使った特殊な布作りをどんどん展開していた頃で、織りでも編みでもない、糸で模様を描きミシンで固定する技法で制作を行う。

本展覧会においては2点の作品を出品した。

1着は織りや編みよりも構造的には自由がきくため、不定形な布で一枚のシャツを制作し、

もう1着は異素材の組み合わせについて関心を寄せていたため、漁網やテグスなどを赤く染色し、透け感のあるシャツを制作した。

原始感覚美術祭2019 水のうぶすな

木崎湖畔にて滞在制作

湖が目の前にあるネムノキをお借りする

製作中の様子

木崎湖POWWOWキャンプ場で行われたイベントにてパフォーマンスを行う

 

原始感覚美術祭2019 水のうぶすな

原始感覚美術祭には3回目の参加となる2019年は、前年の反省を活かして大町にてしっかりと滞在制作を行い、素材の選定も環境に対して違和感が強くないものにした。

木崎湖畔で制作するにあたって、地元の方から了承をいただき、ネムノキをお借りして1週間木の上で繊維を織ったり結んだりしてコスチューム制作を行った。

木の上で長時間過ごした経験がなかったため、制作中の意識が普段と異なり刺激的な体験となった。

木の幹をアリが忙しそうに歩き回り、時々自分の身体の上も通っていく。風に揺れる葉っぱの音や湖の水際の音、その環境で生きている虫の声が常に聞こえていて、木の上に立っている自分の体幹を常に感じている。木漏れ日の光や湖水に反射して輝く光も、絶えずきらきらと降り注いでいる。草の匂いが心地よく、いつもより深呼吸で手を動かし続ける。

このように五感に刺激される制作環境は初めてで、心地よい環境で制作することは今後の自分にとって重要なのではないかと思うようになった。

原始感覚美術祭2018 水のハレとケ

原始感覚美術祭2018 水のハレとケ

原始感覚美術祭に参加して2年目の年。2018年は諸事情により細切れでの滞在となったため、現地での制作はせずに「うまれの祈り」シリーズのコスチュームをもってパフォーマンスでの参加がメインとなった。

前年に原始感覚美術祭に参加したことによって新たに展開が広がった作品と共に大町に帰ってくることが、個人的ではあるが意味があったのだと思われる。

モールという素材に骨や肉という身体性を見出して制作した作品だったのだが、実際に着用して見るととても人工的な素材のため、自然の力が強い大町ではやや違和感を感じる結果となった。

また、様々な参加者の表現に触れることで、身体表現や即興表現に関しても思考を深めていくこととなる。

SEIAN COLLECTION 2018「うまれの祈り」

うまれの祈り / モール / 2017

シャーマン / モール / 2018

ヒト / 化繊 / 2018

マンダラ / 糸,オーガンジー,フラワーペップ / 2017

撮影:SHIGEKI TSUJI

映像:タケツナ サユカ

音楽:あんどさきこ

ヘアメイク:岩松優磨

 

 

SEIAN COLLECTION 2018「うまれの祈り」

成安造形大学では学生主体のファッションショーが卒業制作展の時期に合わせて毎年開催されている。

会場は重要文化財である京都文化博物館 別館(旧日本銀行京都支店)で行われ、主にファッションデザインコース(現在はコスチュームデザインコース)の学生によって運営される。

衣装制作はもちろん、舞台制作、広告物制作、構成、映像、音響、照明、メイク、モデルなど学生によって手がけられる。

2018年は「うまれの祈り」をテーマに、4体のコスチュームを出品。

文化博物館別館の2階から布を垂らしたり、ランウェイから床に降りたり、客席から登場するなど舞台空間全体を活かした構成を試みる。

映像、音楽、ヘアメイクの協力を得て、世界観がより伝わるよう取り組んだ。

BEATNIXS 72nd opening show

胎盤 / モデル:仲 聖子

オープニングショー全体の様子

バックステージでの様子

 

BEATNIXS 72nd opening show

BEATNIXSとは、関西圏の美容学生、服飾学生、大学生、高校生たちによるエンターテイメントイベント。

72回目となる本イベントは、なんばHatchにて開催され、

「胎盤」をコスチュームに再構成し、オープニングショーの一部として出演。

衣装として着用することによって、インスタレーションとして空間に配置する際には見られない、海中生物のような独特の動きがうまれる。

個展 うまれの祈り

うまれの祈り(mandara) / 糸,オーガンジー,フラワーペップ / ミシン刺繍 / 2017

うまれの祈り(wire mall) / モール / 2017

会期中に行った素材研究の様子

本展覧会に向けて行ったモールの素材研究1

素材研究2

 

うまれの祈り

大阪の東心斎橋にあるMU東心斎橋画廊にて個展を行った。

新しい手法や素材を積極的に取り入れた実験的な側面もある展示だったように思う。

原始感覚美術祭2014に訪れ「胎内回帰」というテーマがうまれ、その後「胎盤」「母体」「羊膜」「乳房」と胎内回帰シリーズが作られた。

2017年には公募作家として同美術祭を再訪し、初めてアーティスト・イン・レジデンスに参加した。

 

展覧会コンセプト概要

「長野県信濃大町を訪れて、山、水、大気、火、大地、そこに生きる動植物や虫、目に見えない存在を含めた多くの命に触れて、私自身が胎内回帰を経験した感覚になった。

命には様々なかたちがあり、うまれてくる・生きていくことには喜びと険しさがつまっている。

うまれることと、生きることに、胎内回帰したばかりの小さな私なりの祈りを捧げたい。」

原始感覚美術祭2017 みのくちまつり

原始感覚美術祭2017−みのくちまつり

2014年に観客として訪れた原始感覚美術祭に、公募の若手枠で初めて参加する。長野県信濃大町の木崎湖畔に国内外よりアーティストが集い、滞在制作を行う。2017年より長期的な作品展示のスタイルから、3日間のお祭りスタイルに変化した。

西丸震哉記念館に滞在し、自転車で木崎湖を1周して海ノ口上諏訪神社の御神木であるスギの葉を毎日拾わせていただく。

線香の原材料にもなるスギの葉に透明度の高い赤い塗膜をつけ、炎を使ったパフォーマンスを行う。自分自身の身体を用いて表現を行う活動はここから始まった。

また、これより以前は繊維素材を購入し制作を行うばかりだったが、自然素材を収集し加工を行うことも初めてだった。

また、本芸術祭の企画であったピナ・バウシュバレエ団でソロダンサーを務めていたジャン・サスポータス氏の身体表現ワークショップを受講し、自分自身の身体を再発見・認識し、衝撃を受ける。

これらの出来事から〈素材研究〉〈インスタレーション〉〈コスチューム〉〈身体表現〉の領域を横断した作家活動を行うようになる。

SEIAN COLLECTION 2017 「胎内回帰」

胎盤 / 綿糸,ウール / 2015

乳房 / モール / 2017

羊膜 / ポリエステル,ポリウレタン / 2017

撮影:SHIGEKI TSUJI

 

SEIAN COLLECTION 2017「胎内回帰」

成安造形大学では学生主体のファッションショーが卒業制作展の時期に合わせて毎年開催されている。

会場は重要文化財である京都文化博物館 別館(旧日本銀行京都支店)で行われ、主にファッションデザインコース(現在はコスチュームデザインコース)の学生によって運営される。

衣装制作はもちろん、舞台制作、広告物制作、構成、映像、音響、照明、メイク、モデルなど学生によって手がけられる。

2017年は胎内回帰シリーズから〈胎盤〉〈乳房〉〈羊膜〉3体のコスチュームと〈母体〉として「ははむすめ」を出品。

この頃は、素材研究に力を入れていたため、それぞれの素材でコスチューム制作を行っていた。