WORKS : material research / fiber art / textile art / costume / performance

GGBB MODE 2021 AW

Photo:霧越春樹

GGBB MODE 2021 AW

約700名が収納できる神戸の円形ホール、KFMホール”イオ”にて開催されたファッションショー。

60歳以上のシニアモデル・パフォーマーを主要キャストとした、ファッションエンターテイメントイベント「GGBB MODE」(ジジババモード)のオープニングショーに「うまれの祈り」の赤いモールドレスと、「はぐくみのみなもと」2着の衣装提供を行った。

会場全体が真っ赤なイメージで構成されている。裏テーマとしては還暦の祝い着である赤いちゃんちゃんこがあるそうで、十干十二支が一周し新たに生まれ変わる祝いが込められている。

 

成安造形大学 コスチュームデザインコースOB・OG fashion / textile / costume 2021 ─成安の女性たちによる服飾─

成安造形大学・成安造形短期大学コスチュームデザインコースOB・OGfashion/textile/costume 2021─成安の女性たちによる服飾─

成安造形大学 コスチュームデザインコースOB・OG fashion / textile / costume 2021 ─成安の女性たちによる服飾─

成安造形大学の歴史を振り返って行くと元々は学祖である瀬尾チカが成安裁縫学校を京都に設立したところから始まる。

様々な変遷を経て、現在は4年制の芸術大学としてあるわけだが、私が在籍していたテキスタイルアートコースも、前身がファイバーアートコースであり、当時テキスタイルアートとは別コースだったファッションデザインコースとひとつになり、現在はコスチュームデザインコースとしてひらかれている。

個人的な感想として、伝統的な技法を学び極めるというよりも、それぞれの学生が興味を持った素材を研究し、作品として展開していくような特徴を感じていた。

学内に点在する各ギャラリーにて展示が開催され、スパイラルギャラリーにて過去作の展示を行った。

 

原始感覚美術祭2021 水のたまゆら

信濃公堂でのパフォーマンスの様子

水鎮めの儀の様子

本祭にて永井 朋生氏(パーカッショニスト)

実験躰ムダイ(舞踏)×鈴木彩花(ボディペイント)とコラボ [6:05~]

 

原始感覚美術祭2021 水のたまゆら

5年目の参加となる本芸術祭では、初めて本祭のメイン会場である信濃公堂にてパフォーマンスを行った。コラボした永井氏は自作した楽器や世界各地で出会った素材から音を見つけて、ソロパフォーマンスや楽曲提供などを行っており、2018年に原始感覚美術祭にて同じくパーカッショニストのファブリス・ボニー氏とセッションした公演は素晴らしいものだった。

絵描きの鈴木彩花さんによってボディペイントされた実験躰ムダイさんとは赤子と踊ることを実験されているようだった。

原始感覚美術祭の特徴とも言えるが、「その時その場で何が起きるか分からない」という状態でいることを大切にしているため、最低限のリハーサルしか行われなかった。尊敬する永井氏とのコラボへの緊張と、初対面のムダイさんと、公演中どう反応するかわからない赤子がいるという状況に、細い糸をピンと張ったようなとても研ぎ澄まされた感覚になった。

また、このお祭りが来年も無事に執り行われてほしいという想いを強く感じたことから、火おこしで生まれた火を湖に返したいと原始感覚美術祭の運営メンバーに伝え相談したところ、本祭が全て終わった後に「水鎮めの儀」を行うことになった。

蓮の葉の上で小さな火が波に揺られながらちらちらと動いている。

それまでの祭の盛り上がりとはうって変わって、祭のあとの美しい静けさをみんなで見つめた代え難い時間を過ごすことができた。

個展 冥護の抱擁

冥護の抱擁 / 化繊,テグス,ワイヤー / ミシン刺繍 / 2021

特殊照明によって空間に広がる影が拡大・縮小する

人の肌に影が触れる様子

音楽:あんどさきこ

映像:タケツナ サユカ

冥護の抱擁

京都の現代美術ギャラリー KUNST ARZTにて個展を行う。

新型コロナウイルスの蔓延により、人とのふれあいそのものが良くないことになってしまった。社会や日々の営みを死守するため、どの細菌であるかなどもお構いなしに排除することを選び、未知の戦いを続けている。そんな中で湧き上がってくる身体感覚は〈抱擁〉だった。

海を眺めているとき、山から風が肌を撫でるとき、陽の光を浴びているとき。

大きなものからの恵みを受けて包まれるような抱擁を、私の体は強く求めているのだと感じ、直接肌でふれあうことは叶わなくとも、包まれることで得られる安堵を形にしたいと考えた。

繊維の模様と光と、そこから生まれる影の模様に鑑賞者の肌が触れる空間作りを行った。

DM制作:おかだしほ

撮影:こまき あいか

世界で一枚のシャツ展

ギャラリー・サラによるDM

出品作品「うみんとき」着用の様子  着用者:中井乙希

左端の赤いシャツがミシン刺繍によって作られた出品作品

中央の赤いシャツが赤く染色した漁網・テグス・ミシン刺繍によって作られた出品作品

 

世界に一枚のシャツ展

「世界で一枚のシャツをつくってください」という一枚の手紙から始まる展覧会。
ファッションデザイナー、コスチュームアーティスト、バッグデザイナーといった服飾のクリエイターだけでなく、陶芸やガラスの作家、画家や立体造形作家といった幅広いジャンルの作家による、多様な〈返事〉を一同に展示する企画展。

会場となるgalleryサラは滋賀県の北比良の緑豊かな別荘地にあり、中庭の苔山をぐるりと歩いて見ることのできる回廊型のギャラリー。

ミシン刺繍を使った特殊な布作りをどんどん展開していた頃で、織りでも編みでもない、糸で模様を描きミシンで固定する技法で制作を行う。

本展覧会においては2点の作品を出品した。

1着は織りや編みよりも構造的には自由がきくため、不定形な布で一枚のシャツを制作し、

もう1着は異素材の組み合わせについて関心を寄せていたため、漁網やテグスなどを赤く染色し、透け感のあるシャツを制作した。

原始感覚美術祭2019 水のうぶすな

木崎湖畔にて滞在制作

湖が目の前にあるネムノキをお借りする

製作中の様子

木崎湖POWWOWキャンプ場で行われたイベントにてパフォーマンスを行う

 

原始感覚美術祭2019 水のうぶすな

原始感覚美術祭には3回目の参加となる2019年は、前年の反省を活かして大町にてしっかりと滞在制作を行い、素材の選定も環境に対して違和感が強くないものにした。

木崎湖畔で制作するにあたって、地元の方から了承をいただき、ネムノキをお借りして1週間木の上で繊維を織ったり結んだりしてコスチューム制作を行った。

木の上で長時間過ごした経験がなかったため、制作中の意識が普段と異なり刺激的な体験となった。

木の幹をアリが忙しそうに歩き回り、時々自分の身体の上も通っていく。風に揺れる葉っぱの音や湖の水際の音、その環境で生きている虫の声が常に聞こえていて、木の上に立っている自分の体幹を常に感じている。木漏れ日の光や湖水に反射して輝く光も、絶えずきらきらと降り注いでいる。草の匂いが心地よく、いつもより深呼吸で手を動かし続ける。

このように五感に刺激される制作環境は初めてで、心地よい環境で制作することは今後の自分にとって重要なのではないかと思うようになった。

原始感覚美術祭 クラウドファンディング記事

2022年に原始感覚美術祭を開催するため、クラウドファンディングサイトCAMPFIREにて

原始感覚についての文章を投稿しました。

佐々きみ菜「おおらかさと鋭さの集い」

https://camp-fire.jp/projects/580778/view/activities/389577

原始感覚美術祭2018 水のハレとケ

原始感覚美術祭2018 水のハレとケ

原始感覚美術祭に参加して2年目の年。2018年は諸事情により細切れでの滞在となったため、現地での制作はせずに「うまれの祈り」シリーズのコスチュームをもってパフォーマンスでの参加がメインとなった。

前年に原始感覚美術祭に参加したことによって新たに展開が広がった作品と共に大町に帰ってくることが、個人的ではあるが意味があったのだと思われる。

モールという素材に骨や肉という身体性を見出して制作した作品だったのだが、実際に着用して見るととても人工的な素材のため、自然の力が強い大町ではやや違和感を感じる結果となった。

また、様々な参加者の表現に触れることで、身体表現や即興表現に関しても思考を深めていくこととなる。

SEIAN COLLECTION 2018「うまれの祈り」

うまれの祈り / モール / 2017

シャーマン / モール / 2018

ヒト / 化繊 / 2018

マンダラ / 糸,オーガンジー,フラワーペップ / 2017

撮影:SHIGEKI TSUJI

映像:タケツナ サユカ

音楽:あんどさきこ

ヘアメイク:岩松優磨

 

 

SEIAN COLLECTION 2018「うまれの祈り」

成安造形大学では学生主体のファッションショーが卒業制作展の時期に合わせて毎年開催されている。

会場は重要文化財である京都文化博物館 別館(旧日本銀行京都支店)で行われ、主にファッションデザインコース(現在はコスチュームデザインコース)の学生によって運営される。

衣装制作はもちろん、舞台制作、広告物制作、構成、映像、音響、照明、メイク、モデルなど学生によって手がけられる。

2018年は「うまれの祈り」をテーマに、4体のコスチュームを出品。

文化博物館別館の2階から布を垂らしたり、ランウェイから床に降りたり、客席から登場するなど舞台空間全体を活かした構成を試みる。

映像、音楽、ヘアメイクの協力を得て、世界観がより伝わるよう取り組んだ。

BEATNIXS 72nd opening show

胎盤 / モデル:仲 聖子

オープニングショー全体の様子

バックステージでの様子

 

BEATNIXS 72nd opening show

BEATNIXSとは、関西圏の美容学生、服飾学生、大学生、高校生たちによるエンターテイメントイベント。

72回目となる本イベントは、なんばHatchにて開催され、

「胎盤」をコスチュームに再構成し、オープニングショーの一部として出演。

衣装として着用することによって、インスタレーションとして空間に配置する際には見られない、海中生物のような独特の動きがうまれる。