撮影:SHIGEKI TSUJI
SEIAN COLLECTION 2016
成安造形大学では学生主体のファッションショーが卒業制作展の時期に合わせて毎年開催されている。
会場は重要文化財である京都文化博物館 別館(旧日本銀行京都支店)で行われ、主にファッションデザインコース(現在はコスチュームデザインコース)の学生によって運営される。
佐々きみ菜はテキスタイルアートコースの所属だったが、インスタレーションとして空間に展示される素材と、衣装として身体に纏うことで動きが加わった素材の違いに着目し、見え方の違いについて研究を行った。
身に纏った白いワイヤーやカラフルな紙繊維のオーナメントに対して、物理的に動きが加わることで独特の揺れ感が現れたり、色彩が混ざったようにも見えることがある。
また、インスタレーションでは鑑賞者が動いて鑑賞するのに対し、ファッションショーではモデルが動くことにより鑑賞者はある一定の視点から作品を鑑賞することになる。
コスチューム作品を発表するようになったのはこのような学生ファッションショーからで、この経験によって身体・衣服・空間についての思考を深めていくようになる。