WORKS : material research / fiber art / textile art / costume / performance
Exhibition
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成安造形大学 コスチュームデザインコースOB・OG fashion / textile / costume 2021 ─成安の女性たちによる服飾─

成安造形大学・成安造形短期大学コスチュームデザインコースOB・OGfashion/textile/costume 2021─成安の女性たちによる服飾─

成安造形大学 コスチュームデザインコースOB・OG fashion / textile / costume 2021 ─成安の女性たちによる服飾─

成安造形大学の歴史を振り返って行くと元々は学祖である瀬尾チカが成安裁縫学校を京都に設立したところから始まる。

様々な変遷を経て、現在は4年制の芸術大学としてあるわけだが、私が在籍していたテキスタイルアートコースも、前身がファイバーアートコースであり、当時テキスタイルアートとは別コースだったファッションデザインコースとひとつになり、現在はコスチュームデザインコースとしてひらかれている。

個人的な感想として、伝統的な技法を学び極めるというよりも、それぞれの学生が興味を持った素材を研究し、作品として展開していくような特徴を感じていた。

学内に点在する各ギャラリーにて展示が開催され、スパイラルギャラリーにて過去作の展示を行った。

 

個展 冥護の抱擁

冥護の抱擁 / 化繊,テグス,ワイヤー / ミシン刺繍 / 2021

特殊照明によって空間に広がる影が拡大・縮小する

人の肌に影が触れる様子

音楽:あんどさきこ

映像:タケツナ サユカ

冥護の抱擁

京都の現代美術ギャラリー KUNST ARZTにて個展を行う。

新型コロナウイルスの蔓延により、人とのふれあいそのものが良くないことになってしまった。社会や日々の営みを死守するため、どの細菌であるかなどもお構いなしに排除することを選び、未知の戦いを続けている。そんな中で湧き上がってくる身体感覚は〈抱擁〉だった。

海を眺めているとき、山から風が肌を撫でるとき、陽の光を浴びているとき。

大きなものからの恵みを受けて包まれるような抱擁を、私の体は強く求めているのだと感じ、直接肌でふれあうことは叶わなくとも、包まれることで得られる安堵を形にしたいと考えた。

繊維の模様と光と、そこから生まれる影の模様に鑑賞者の肌が触れる空間作りを行った。

DM制作:おかだしほ

撮影:こまき あいか

世界で一枚のシャツ展

ギャラリー・サラによるDM

出品作品「うみんとき」着用の様子  着用者:中井乙希

左端の赤いシャツがミシン刺繍によって作られた出品作品

中央の赤いシャツが赤く染色した漁網・テグス・ミシン刺繍によって作られた出品作品

 

世界に一枚のシャツ展

「世界で一枚のシャツをつくってください」という一枚の手紙から始まる展覧会。
ファッションデザイナー、コスチュームアーティスト、バッグデザイナーといった服飾のクリエイターだけでなく、陶芸やガラスの作家、画家や立体造形作家といった幅広いジャンルの作家による、多様な〈返事〉を一同に展示する企画展。

会場となるgalleryサラは滋賀県の北比良の緑豊かな別荘地にあり、中庭の苔山をぐるりと歩いて見ることのできる回廊型のギャラリー。

ミシン刺繍を使った特殊な布作りをどんどん展開していた頃で、織りでも編みでもない、糸で模様を描きミシンで固定する技法で制作を行う。

本展覧会においては2点の作品を出品した。

1着は織りや編みよりも構造的には自由がきくため、不定形な布で一枚のシャツを制作し、

もう1着は異素材の組み合わせについて関心を寄せていたため、漁網やテグスなどを赤く染色し、透け感のあるシャツを制作した。

個展 うまれの祈り

うまれの祈り(mandara) / 糸,オーガンジー,フラワーペップ / ミシン刺繍 / 2017

うまれの祈り(wire mall) / モール / 2017

会期中に行った素材研究の様子

本展覧会に向けて行ったモールの素材研究1

素材研究2

 

うまれの祈り

大阪の東心斎橋にあるMU東心斎橋画廊にて個展を行った。

新しい手法や素材を積極的に取り入れた実験的な側面もある展示だったように思う。

原始感覚美術祭2014に訪れ「胎内回帰」というテーマがうまれ、その後「胎盤」「母体」「羊膜」「乳房」と胎内回帰シリーズが作られた。

2017年には公募作家として同美術祭を再訪し、初めてアーティスト・イン・レジデンスに参加した。

 

展覧会コンセプト概要

「長野県信濃大町を訪れて、山、水、大気、火、大地、そこに生きる動植物や虫、目に見えない存在を含めた多くの命に触れて、私自身が胎内回帰を経験した感覚になった。

命には様々なかたちがあり、うまれてくる・生きていくことには喜びと険しさがつまっている。

うまれることと、生きることに、胎内回帰したばかりの小さな私なりの祈りを捧げたい。」

2人展 胎内回帰

京都府京田辺市のTANADAピースギャラリー

 

うえのすみか作品

 

会場風景

 

うえのすみか作品

 

原風景「菜」 / ハードチュール,ポリロン / 2015

 

原風景「菜」 / ハードチュール,ポリロン / 2015

 

胎盤 / 綿糸,ウール / 2015

 

胎盤 / 綿糸,ウール / 2015

 

うえのすみか 佐々きみ菜 2人展「胎内回帰」

本展覧会にて初めて「胎内」をテーマに作品制作を行った。

2名の作家は会期中に20歳の誕生日をむかえる。

うえのすみかは自身が生まれた時と同じ重さの胎児と、

十月十日膨らんでいく母腹を石粉粘土にて制作。

佐々きみ菜は名前の由来となる菜の花を模した布造形と、

20歳の自分に適した大きさの胎盤をつづれ織りにて制作する。

六甲ミーツ・アート芸術散歩2021「はぐくみのみなもと」

六甲枝垂れ内部の様子

六甲ミーツ・アート芸術散歩2021「はぐくみのみなもと」

個展「冥護の抱擁」をきっかけに六甲ミーツ・アート芸術散歩2021の公募を知り、個展で展示した繊維と光から生まれる影についてより思考を深めたいと思い、応募することにした。

実際にいくつかの会場候補を見学する中で、建築家・三分一博志氏の自然体感展望台 六甲枝垂れの内部空間を訪れて、外部から内部に行くまでの通路を産道のように、ドーム状の半屋外となっている内部空間を胎内のように感じられた。

どうしてもこの場所に、私なりの「胎内を想起させる空間」を表現し、鑑賞者が生まれる前の状態に想いを馳せる体験ができるインスタレーションを作りたいと強く思った。

芸術祭を訪れた人が日常とは違った角度から自身を再認識できるきっかけになっていれば嬉しく思う。

 

「まんげつのそらにかえれ」ロングver.[17:18]

撮影・編集 Ayaco Mino

「まんげつのそらにかえれ」ショートver.[5:29]

撮影・編集 Ayaco Mino

パフォーマンス「まんげつのそらにかえれ」

自然体感展望台「六甲枝垂れ」において、ある満月の日の昼から夜にかけて4度行われたパフォーマンス「まんげつのそらにかえれ」の全パフォーマンス。 六甲の天候によって見え方が変化する、展示作品「はぐくみのみなもと」は、風に揺られながら水面に姿を映し、夜になればレース状の影を辺り一面にひろげる。 あんどさきこのコラの演奏と共に、一日かけて枝垂れの内部で小さないのちをはぐくみ、夜景の上に浮かぶ満月とその空へ旅立ついのちを見守る。 

出演:あんどさきこ
瀬戸内海志々島在住 うたう、泳ぐ、お月さまをみる、土をさわる おんがくやさんをしています
https://andsakiko.wixsite.com/mysite

SEIAN GRADUATE EXHIBITION 2020

SEIAN GRADUATE EXHIBITION 2020 “ FASHION / TEXTILE / COSTUME ”

成安造形大学には6つの学内ギャラリーがあり、ライトギャラリーは壁一面がガラスになっており自然光の変化を楽しむことができる空間になっている。

本展覧会は、同大学のファッションデザインコース、テキスタイルアートコース、コスチュームデザインコースの卒業生たちの作品が集った。

卒業年度は幅広く、在学中にはなかった交流がうまれ、成安造形大学の繊維造形の歴史の一部を垣間見ることができた。

今回はミシン刺繍の作品を中心に出品し、ギャラリーの白い空間に対して影の表情がよく見えるように設置を行った。

照明の関係で、繊維の赤色が多重の影にも影響し、複雑な模様を鑑賞することができた。

ははむすめ

ははむすめ / モール / 2017

 

ははむすめ

高さ約2mの土偶のようなシルエットをしたソフト・スカルプチュア。

2017年制作の「母体」をテーマにした作品。

モールを素材に用いて、背面と顔部分は平織りにて制作。

大きく前面に飛び出した母腹には人が1人入れるくらいのボリュームがある。

丹田にあたる位置には細長い筒状の穴があり、膣かあるいは反転した男性器のような形状が内蔵されている。

その周辺には血管のようにモールが広がっており、織り・編み・組みなど複数の手法を取り入れた作品。

モールは針金と化学繊維によって構成されており、自由な造形と形状維持が可能である。これを人体の骨と肉に見立てて、素材として使用した。